社会インフラ管理プラットフォーム「SIMPL」を使用すると、様々な社会インフラを統合的かつ効率的に管理することができます。
SIMPLに蓄積された社会インフラのデータは、これまでの施工・点検・診断・補修などにおいて記録してきた、実際の生データです。蓄積されたこれらのデータは、将来のサスティナブルな社会の実現において重要な役割を果たします。
SIMPLには、データを最大限に有効活用できるよう、分析プラットフォームが組み込まれています。SIMPLでは、分析プラットフォームを使うことで、データの活用の自由度を大幅に高めました。
分析プラットフォームを使うことで、自由にデータ項目を選びデータを抽出して表やグラフを作成したり、データを抽出してダウンロードしたりすることができます。あらかじめ準備しておいたExcelのフォーマットにデータを取り込むことで、定型の報告書を作成することもできます。
例えば、これまで定期的に点検を実施してきた社会インフラのデータを分析することで、今後の劣化の予測や補修計画に役立て、長寿命化の計画を策定したり、蓄積した構造のデータをもとに分析することで、地域横断的な老朽化対策の検討をしたりすることができます。
また。SIMPLには複数種類の施設のデータを登録することができるため、施設の種類を横断したデータ抽出ができたり、防災関連でオープンデータと掛け合わせた地域のための分析などが可能です。例えば人口密度や地質のデータ、災害発生が多い地域のハザードマップ情報や防災関連データなどのデータを掛け合わせて、地域の防災や社会インフラメンテナンスに関する様々なデータ分析をすることが可能です。さらに、SIMPLに登録するデータの内容によっては、診断の自動化のためのAI機能を組み込んだり、過去の発注を参照して最適な発注をサポートするAI機能を組み込んだりすることも可能です。
〜 SIMPLのデータ分析機能 〜
SIMPLの分析プラットフォームには、マイクロソフト社の Power BI の機能を使用しています。Power BI は、様々なデータ表現と動的なデータ分析によりデータから特性を見つけることが出来るため、社会インフラのデータ管理において強力なデータ分析です。
SIMPLでは、データの抽出や分析は、お客様自身で実施できるようになっています。データ抽出や分析の方法やノウハウについては、SIMPLのサポート担当者に問い合わせいただければ、参考となる分析テンプレートなどをお渡ししたり講習会を開いたりすることができます。操作はとても簡単なため、お客様自身で自由にデータを扱うことができ、急なデータの収集、分析、活用のニーズに対応することが可能です。
〜 SIMPLのデータ分析例 〜
■必要なデータを抽出する
SIMPLに蓄積したデータは、分析プラットフォームを使用して抽出することができます。表示する項目を選択し、必要に応じて検索のキーとなる項目を指定したり、絞り込み条件となる項目を指定したりして、必要なデータのみを抽出することができます。
このデータを抽出する仕組みは基本的な機能ですが、社会インフラの管理においてはとても便利な機能です。なぜなら、社会インフラのデータは項目が多く、様々なデータの活用を行う場合に、検索キーとなる項目が多様となるためです。SIMPL のデータ分析プラットフォームは、利用者自身が登録されたデータの中から自由に検索キーを選び表を作成することができるので、飛躍的にデータの活用の範囲が広がります。
■動的なグラフを作成して分析する
SIMPL の分析プラットフォームを使うと、簡単にデータを抽出し、グラフを作成することができます。また、抽出したデータを条件により表現を変えながらマップにプロットするなど、様々なデータ表現も可能です。
このグラフを作成する機能は、一度だけの利用のために使用することもできますが、状況の変化を定点観測することに利用することができます。例えば、毎年、毎月、社会インフラの点検や補修が進む進捗状況を、データダッシュボードを作成して把握することができます。
■写真付きで抽出したデータを活用する
抽出したデータを絞り込み業務を行うにあたり対応する画像をあわせて表示すると有効な場合があります。SIMPLのデータ分析の仕組みでは、テキストと画像を合わせてリスト化し条件を変えながらデータを絞り込むことができます。
例として、構造物の点検をした際の変状ごとの診断区分の決定について考えてみます。変状の判定は定量的に行うことが難しく、構造物の構造や型式、架設条件などにより評価の観点に違いがあります。そこで、SIMPLで判定のサポートをするとした場合、過去の変状写真を含むデータのリストを作成し、判定区分などの条件で絞り込みを行い条件にあった変状を見つけ出し参考にする、そのような仕組みを簡単に作ることができます。また、もう少し詳細なデータを閲覧する必要がある場合には、SIMPLのカルテ画面にリンクしてその構造物の情報や過去の点検情報などを詳しく参照することができます。
■視点を広げデータ相関を分析する
SIMPL のデータ分析プラットフォームを使うと、様々な視点でデータを分析し、新しい気付きを得ることができます。例えば、点検時の判定区分がⅢやⅣとなっている構造物がどのようなデータと相関があるか、言い換えれば、どのような構造物が劣化しやすいか、など、データを合わせて分析することで傾向がわかり対策につながることがあります。
■Excel にデータを渡して活用する
社会インフラの管理者は、管理の過程において、様々なデータを作成することがあります。SIMPLに蓄積したデータは自由な形式でデータを抽出、絞り込み、一覧表を作成することができますので、管理におけるアドホックなニーズにも対応することができます。それだけでも利用価値はありますが、さらに、これらの抽出したデータは、使い慣れた Excel にエクスポートすることができます。既に作成済みの Excel 帳票にデータを流し込んだり、独自のワークシートにデータを貼り付けて活用したり、手元のパソコンで自由に加工して利用することができます。